素材にこだわる銘店の人気商品 奥久慈卵だからこそ実現したプリン

  • SPECIAL

卵、砂糖、牛乳だけで作られたプリンは、素材の味がストレートに響く嘘のつけないお菓子。店によってはそこに様々な材料を加えて差異を出すわけだが、Quatreの「うふプリン」は、基本の3つの素材だけで作られている。やさしい甘さ、風味、コク、そして流行りのトロトロ食感とは一線を画す、絶妙な舌触り。卵は洋菓子に欠かせない材料だが、そこに奥久慈卵が選ばれた理由はどこにあるのか。

厳選した材料で作る 四季折々の最高の味わい

quatre_01

ー洋菓子店にとって卵はとても重要な材料と思います。奥久慈卵を採用されたのはどのようなことからですか?

中山さん  12年程前に「うふプリン」を考案した際に、殻を容器として使いたくて、丈夫な卵を探していたのです。その時に卵を扱う業者さんから紹介されたのが奥久慈卵でした。殻の硬さも充分でしたし、卵の味が濃厚で黄身がしっかりしていた。白身も水っぽくなく、それ以来店で使う卵は奥久慈卵だけに変えて、生菓子、焼き菓子、パン、すべてに使用するようになりました。現在店舗は都内7カ所にあり、成瀬台店だけは工房が併設されていますのでそこで作っていますが、あとの6店舗分はすべてここ、柿の木坂本店で製造していますので、消費量も相当なものです。「うふプリンだけでも1箱150個入りのを1日に10ケース位使っているでしょうか。

quatre_02

ーその「うふプリン」について詳しく教えてください。

中山さん  ウフはフランス語で卵のことです。当店の「うふプリン」は素材が素朴で、卵と砂糖と牛乳だけで作っています。カラメルの部分には黒糖を使っていますが、その他には何も、香料も一切使用していません。卵白がたくさん入ると強くてしっかりしたプリンになるのですが、「うふプリン」は卵白を少し減らしてクリーミーに仕上げています。昔ながらの素朴な味わいで、卵とミルクのおいしさ、素材の良さが感じられるやさしいプリンです。定番のプレーンとチョコ味以外に、苺、カボチャなど、季節の素材を取り入れてヴァリエーションをつけています。

quatre_03

うふプリン
卵の殻を容器にした「うふプリンはQuatreの一番人気。卵のパックを模したパッケージも可愛らしく、選び抜かれた素材のおいしさがギュギュッと詰まっている。定番のプレーン(179円)、チョコレート(231円)、その他季節の味(抹茶、苺、カボチャ等、各231円)

ー卵以外にも茨城県産の食材は使用されていますか?

中山さん  季節感を出すことをだいじにしているので、フルーツを使うことが多いのですが、生産者から直接ということはなく、業者さんにお願いをして、その時期の良いものを手配していただいています。5月になるとメロンを使うことが多くなりますが、メロンは茨城産が届くことが多いですね。イチゴも時々入っていると思います。最近思うのは、洋菓子業界全般に、季節を先取りする傾向が強くなりすぎているかなということです。特にデパートなどの売り場では、季節商品を時期を早めて出してほしいと要望されることがあるのですが、あまりに早いと果物の味がついていかない時がありますので、作る側としては少し引け目を感じています。お客様のご要望にお応えしたい気持ちと、本当は素材の味が最もおいしい時に味わっていただきたいという気持ちとで悩ましいところです。


 

コクのある美味しさは
天然由来成分100%の飼料から

ー奥久慈卵のおいしさには定評があり数々の有名店で使われていますが、味の決めては何でしょうか?

塩原さん  一番は飼料の違いです。天然由来の有機物100%で、特別に配合したものを与えています。味の違いをラーメンに例えると、植物系スープはさっぱり、動物系のスープは濃厚ですよね。奥久慈卵の飼料には魚粉が配合されているので、コクのある黄身が特徴です。生のまま何もかけなくても、少し塩気を感じるくらい味が濃いのです。卵白もお箸ではなかなか切れないくらい強いこしと粘りがあります。お菓子を作る方によると、この卵白を使うとシフォンケーキのふくらみが全然違うそうです。鮮度の良さや黄身の濃さなど、他では出せない味だとお客様の声をいただいています。あとは鶏の育つ環境でしょうか。奥久慈卵のキャッチフレーズは『大自然発あなた行き』ですが、本当に携帯の電波も届かないような水と空気のきれいなところで、1ゲージに4〜5羽でゆったりと飼育しています。

quatre_04

ー一度お取引きの始まったお客様は皆さん長く続いているそうですね。Quatreさんも全ての卵を奥久慈卵に変えて、もう12年だそうです。

塩原さん  素材にこだわる料理人の方はいろいろな卵を比べたうえで使ってくださっているようです。つい最近も、都内にオープンした厚焼き卵の専門店さんが、50種類の卵を比べて、その中から奥久慈卵を選んでいたという話をテレビで放映していたと、お客様に教えていただいたばかりです。当社では鮮度管理や発送時間のロスを少なくするなど、できるだけ新鮮な卵を出荷できるシステムをとっていますので、「黄身の盛り上がり方が違う。特に生で食べたら他の卵は食べられない」等の声もいただいていており、こうしてお取引先に高い評価をいただきながら、結果として長くお付き合いをさせていただけるということは、本当にありがたいことです。

quatre_05

ー奥久慈卵を使った厚焼き卵など、加工品も人気ですね。今後はどのような展開を考えていますか?

塩原さん  昨年5月、常陸大宮市内に当社のアンテナショップ「たまご屋本店」をオープンし、地元のお客様にその日とれた新鮮な卵や加工品を直接販売できる環境が整いました。こちらでは厚焼き卵やくんせい卵に加え、カステラやソフトクリームなどのスイーツも販売しています。これを機に奥久慈卵が地元でもっと親しまれるよう、広めていきたいと思っています。また、近々水戸市内に厚焼き卵を製造する、新たな加工場が出来る予定です。今後も県内に拠点を増やし、茨城を代表するブランドとして、地元に根ざした展開をしていきたいと考えています。

quatre_06

PROFILE

quatre_prof-1

■Patisserie Francais Quatre 柿の木坂本店 シェフパティシエ 中山行也さん
甘いもの好きが高じ、27歳でパティシエを目指して転職。ここQuatreで修行を始めて15年になる。シェフパティシエになってからは菓子作りだけでなく材料管理や人材育成など仕事の幅も増えたが、休日は10キロのランニングで体調を維持し、日々7店舗分の生産の指揮を執っている